特集 教育と臨床の実践的連携をめざして―青森県立保健大学のユニフィケーション
組織づくりと関係者への働きかけ,その実際
上泉 和子
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.500-505
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902282
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はじめに
看護学は,教育・研究・実践が有機的に連携しあうことで,相乗的にそれぞれの質を向上させることが可能になり,看護学の発展につながっていく.特に看護学教育における,教育と実践の連携と協働は,質の高い教育を提供しかつ臨床実践の質の向上につながるとして期待され,それぞれが努力しているところである.しかし具体的に教育と臨床が機能のみならず,組織的にどう連携していくかという,組織システムの構築は,まだ模索の段階であろう.
このような中で,青森県立保健大学では開学前からユニフィケーションという概念に注目し,実践と教育との組織的連携システムの構築を試みてきた.このシステムは米国のユニフィケーションシステムとして紹介されている,「看護の実践と教育と研究の責任を,1つの管理組織に所属させる」という,ロチェスター大学やラッシュ大学のモデルとは異なり,大学の教員が技術吏員としての「兼職辞令」発令により臨床のスタッフとして活動し,教育と実践の連携と協働を促進しようとしたものである.
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