連載 Evidence-Based Nursing 実験実習を導入した看護技術教育・9
(各論8)ヘルス・アセスメントとフィジカル・イグザミネーション・1
深井 喜代子
1
,
關戸 啓子
1
,
兼光 洋子
1
1川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
pp.232-236
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902231
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ここ数年,欧米とくに米国の影響を受けて,わが国の看護教育にフィジカル・イグザミネーションを導入する大学が増えてきた.フィジカル・イグザミネーションと題した翻訳書や教科書も続々と出版されている.フィジカル・イグザミネーションとは,特殊な検査機器を用いず,視診,触診,打診,聴診によって患者の身体的健康状態を調べることである.
これはかつては医師の診断技術の主流であった.最近では医療技術の飛躍的な進歩によって信頼性が高くなった医療機器による補助診断を優先する傾向にあるものの,フィジカル・イグザミネーションには患者に直接触れ,対話し,反応を見ながら簡便かつ迅速に診断の目安がつくという大きな利点がある.人間性を重視した医療が求められるようになった昨今では,医師のこうした技術を見直そうとする動きもあるようだ.
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