特集 医療事故と看護教育
[対談]医療事故から教育のあり方を考える
川村 治子
1
,
菊地 登喜子
2,3
1杏林大学保健学部
2宮城大学看護学部
3前:東北公済病院看護部
pp.841-848
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902143
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「人間はエラーを冒すもの」という前提から
川村 昨今,医療事故の報道が相次いでいます.現在の教育現場では,医療事故についてはどの程度教育されているんでしょう?
菊地 現状を十分に把握していませんが,今年のように医療ミスが日立った中で,当然ながら基礎教育においても「見直し」や「工夫」がなされ,より直接的に医療事故に焦点を当てた授業内容について練られているのではないかと思います.と言いますのも,もともと看護は安全を最優先すべき目標としておいてあり,基礎教育の技術のなかにもそれを織り込んで教育してきた経緯があります.そのフィロソフィーは変わらなくても,医療環境は医療機器の使用など複雑化するばかりで,それに伴う人間の弱点にも対処しなければならなくなっている.従来の教育で臨床現場の医療事故防止へ敷行するというのは無理があることがわかります.
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