調査研究
わが国における「地域看護」の概念の歴史的変遷
重村 峯子
1
,
上田 まゆみ
1
,
天野 雅子
1
,
岸田 真弓
1
,
白井 英子
2
,
吉田 礼維子
2
,
高橋 恭子
3
,
石川 賀子
3
,
小関 三千代
4
,
北村 久美子
5
1帯広高等看護学院
2天使女子短期大学
3北海道立旭川高等看護学院
4北海道立衛生学院
5旭川医科大学
pp.52-59
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902003
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1996年度に改訂された保健婦教育カリキュラムでは,「公衆衛生看護学」から「地域看護学」に名称が変わるなかで,この両者の厳密な定義や関係性については一定の見解に至っていない現状である.また宮地1)は,カリキュラム検討委員会において,地域看護はその定義や教育内容について十分に共通理解が得られていない領域であることを感じていると述べている.
カリキュラムの構造化をはかるうえで,用いられる用語の主要概念を明確にしていくことは重要である.筆者らは,保健婦教育における教育目標と教育内容を特定化するために用いられてきた「公衆衛生看護」「地域看護」「保健婦」の3つの用語について歴史的に概念を追究してきた.公衆衛生看護の概念の歴史的変遷はすでに報告したが2),続いて「地域看護」の変遷を検討したので報告する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.