特集 地域に入って学ぶ
帯広高看学院保健婦科の試み
健康管理論セミナー,公衆衛生看護論セミナー13年間の歩み
白井 英子
1
,
重村 峯子
1
,
上田 まゆみ
1
,
天野 雅子
1
1帯広高等看護学院保健婦科
pp.10-22
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207262
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I.はじめに
保健婦の役割として小林1)は,「個人,家族,地域全体および特定集団の健康状況,健康障害について,またそのような状況を引き起こす環境状況について鋭い認知力を働かす観察者である。地域保健,医療の計画・実施において看護の専門家としての参加者である」と述べている。上記の地域における観察者の役割は,保健婦のみに委ねられているものではなく,公衆衛生に従事している者それぞれが専門的な知識,技術を用いてその役割を遂行していくものである。しかし,北海道の現状をみると,まだまだ公衆衛生に従事する専門職種が不足しており,この役割は保健婦に大きく期待されている部分である。
昭和46年の新カリキュラム以降,保健婦は"森"をとるか"木"をとるか--全体か個人か--など価値をどこに置くかと論議された時期もあるが,保健婦の役割,機能は両方の価値を有している特性がある。保健婦の役割,機能を遂行するためには,保健婦としての地域全体を把握し,そこから健康上の問題を発見できる能力と,それらの問題を解決するために必要な施策を考えることができる能力とが求められている。
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