特集 地域に入って学ぶ
帯広高看学院保健婦科の試み
芽室町における健康問題の発見—水質・う歯に関する問題を例とした取り組みの実際
白井 英子
1
,
重村 峯子
1
,
上田 まゆみ
1
,
天野 雅子
1
1帯広高等看護学院保健婦科
pp.23-35
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207263
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I.はじめに
十勝平野の中心に位置し,平担な大地が広がる芽室町に学生,講師,教員が向かったのは,冬休み明け直後の昭和61年1月17日のことであった。広い大地が雪で覆われ,吐いた息も白く凍る最も寒い時期に,15日間にわたる宿泊によるセミナー学習は芽室町内のA旅館で開始された。
18名の学生は,各々9名の2つのグループに構成され,各グループはそれぞれ独立した研修室で学習作業をすすめた。学習資料は昭和55年から59年度の過去5か年にわたる膨大なものである。学生は講師,教員とともに3度の食卓を囲みながら昼夜にわたっての資料検討,討議をくり返したのち,報告資料を作成し,全体討議を行った。さらにその後の再考修正期を経て問題点が最終的に決定されたのは,セミナー開始後8日目であった。Aグループは8つの問題点,Bグループは5つの問題点を発見した。ここでは,このうち水質に関する問題およびう歯に関する問題について,問題発見までの学習プロセスの実際を報告する。また,この水質,う歯に関する2つの問題がセミナー開始10日目から15日目の間に行われた公衆衛生看護活動計画の樹立の際には,どのように引き継がれ,活動計画内容に盛り込まれたか,学生が作成した資料を用いて示すことにする。
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