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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠症序論
不眠症の疾患概念の歴史的変遷
Historical evolution of the disease concept of insomnia
三島 和夫
1
Kazuo MISHIMA
1
1秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座
キーワード:
不眠症
,
診断基準
,
睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
,
疾病及び関連保健問題の国際統計分類第11版(ICD-11)
,
精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)
Keyword:
不眠症
,
診断基準
,
睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
,
疾病及び関連保健問題の国際統計分類第11版(ICD-11)
,
精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)
pp.934-939
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28110934
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不眠症(不眠障害)は不眠症状(入眠困難または睡眠維持困難)と,それによる日中の機能障害を基本特徴とする疾患群である.現在の主要な診断基準では,不眠症はその持続期間によって慢性不眠障害と短期不眠障害に大別されるが,その診断においては併存疾患(合併症,基礎疾患)の有無を問わず,併存疾患が不眠症を惹起している可能性については考慮しない.すなわち,以前行われていた原因別分類を放棄するようになった.このような診断基準の大改訂の背景には,不眠症の病態生理と慢性化プロセスの考察から得られた続発性(二次性)不眠症から併存不眠症へのパラダイムシフトがある.本稿では,古来の現象的分類からはじまり,1970~1980年代の原因別分類,1990年代以降の操作型診断基準の採用および併存不眠症の概念の導入へと続く不眠症の疾患概念の変遷について紹介する.
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