調査研究
学習意欲を促す要因―事例検討・実習環境と動機づけの視点から
名古 ユウ子
1
,
吉田 真紀
1
,
前田 明子
2
1北海道脳神経外科記念病院
2天使女子短期大学衛生看護学科
pp.298-303
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901817
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はじめに
臨床実習はこれまで学んできた知識,技術,態度を統合する場であり,看護を体験的に学ぶ貴重な機会である.そのために,実習指導の果たす役割は重要であるが,学生の許容量を越える過度の期待は,ともすれば学生の学習態度を受け身にさせ,看護への関心を低めることにもなりかねない.臨床実習において学生が看護の対象である人に関心を向け,看護をすすめていくためには,人的・物理的環境を整えるとともに,学生の学習プロセスをふまえた個別的な指導が重要となる.私たちは臨床実習において学生が看護の楽しさや奥深さに触れ,看護への動機づけが高まるような実習になることを願いながら関わっている.
本稿では,失語症の患者の看護において成長がみられたひとりの学生の指導過程を振り返ることにより,何が学生の学習意欲を促したのかを検証していきたい.
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