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実践を通して,からだで学ぶ―新しい学習観で実習教育をとらえるために
阿部 美和子
1
1横浜国立大学大学院教育学研究科
pp.932-933
発行日 1997年11月30日
Published Date 1997/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901725
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◎『状況に埋め込まれた学習正統的周辺参加』
「学習が状況に埋め込まれている,とはいったいどういうことだろう?」というのが,最初,このタイトルを目にしたときの感想であった.ページを開いたら,その面白さに,一気に読んでしまった.読み終えた後,この興奮はどこから来るのだろうと考えてみた.すると,この書が,人類学の視点から「人が学ぶということ」について書かれたものであるにもかかわらず,自分が,まったく自然に看護教育と重ねて読んでいたことに気づいたのである.
その後,改めて読み直してみると,この書は,これまで自明のこととされていた学習観とは,まったく違った学習観を提供していることがわかってきた.これまでの学習観においては,知識はあらかじめ外側に準備され,それが学習者へ伝達される過程(「内化」)が学習である,ととらえられてきた.看護教育においても,まずは講義で知識を習得し,演習を通して技術を身につけ,それを臨床実習で適用していくという考え方が,一般的に受け入れられてきた.
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