シリーズ対談《死を看取る》・1【新連載】
医者観・医療観がCondenseされた臨終の看取り
斉藤 淏
1
,
相馬 智
2
1下谷病院
2杏林大1外
pp.221-233
発行日 1980年2月20日
Published Date 1980/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207379
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患者,家族の側から,その死生観を綴つた達意の文章は多い.一方,好むと好まざるとにかかわらず医師・ナースが《生命》の終焉に直面することが多いことはその職責がゆえに致し方ないとはいえ,如何に《死》に思いを廻らし,生命の絶えなんとする時に関わつてゆけば良いか介護者としての視点からこれらを分析したものは余りにも少ない.
《死》を考えることは《生》を考えることだという.この論でゆくなら《死》に直面した患者さんの《生》に思いを馳せなければならない.病院死の増加した現在,宗教が介在することが少ないわが国の風土の中でテクノラートとしての医療従事者が時間単位での延命策にのみ汲々とすることは是か,否か.
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