看護基礎教育改革への助走 看護技術の視点から基礎教育を見直す
第1部 改革へのスタートライン―こんな基礎教育をしたい
今,求められる基礎教育の質―看護教育を左右する看護観と技術観
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.874-886
発行日 1997年11月30日
Published Date 1997/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901719
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はじめに
再三の看護教育カリキュラムの改正は,看護学の発展や看護基礎教育体制の充実,ならびに看護ヒューマンパワー事情に伴う必然性のほかに,時代背景や社会のニーズの変化を受けて,看護職が新たな課題にチャレンジするために必要な基礎能力を育成するためもあったと受け止めたい.
終戦直後の1948年,保助看法施行直後の看護カリキュラムは,旧来の医師の手助けを主流とする医師による看護教育からの脱皮を図るため,新しい時代にふさわしい看護婦育成を目指すものであった.当時は企業内教育が圧倒的であったことを受けて,職業教育に徹することを誰も疑わなかった.
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