看護基礎教育改革への助走 看護技術の視点から基礎教育を見直す
第1部 改革へのスタートライン―こんな基礎教育をしたい
技術に優れた学生を育成するために―看護基礎教育における実習
加藤 光寶
1
1新潟県立看護短期大学
pp.914-927
発行日 1997年11月30日
Published Date 1997/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901722
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はじめに
少子・高齢社会を背景に,人々を癒すということは,医学や設備の充実だけでは対応できない時代になった.看護教育カリキュラムの改正は,当然ながらキュアからケアへという社会の要請を背景にしている.看護が具体的に取り組むべき課題は,ケアを視座に福祉まで見据えたものとしていることは当然である.が,はたして,教育における現実の諸条件の中で,これにどう対応すればいいのだろうか.時間的に,人的に,設備的に,環境的に,懸念されることは多い.看護基礎教育が,どこまでその期待に応えられるのだろうか.
看護教育のもつ課題は,直接看護教育に関係している教員や臨床指導者だけで取り組めることではない.看護職全体が,これからの看護教育に関心をもつことが鍵になるだろう.教員も直接臨床で教育・指導にあたらなければ改正のもつ課題を達成することは難しい.臨床の場で働く看護婦も後輩を育てることを,自身の問題として捉えていく.そうでなければ,看護教育におけるカリキュラムの改正に沿った教育は,成立しないだろう.
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