書評
学生の学び直しとして大いに優れた参考書
小池 妙子
1
1弘前医療福祉大学保健学部
pp.157
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201360
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著者は看護師の資格を有しているが,保健学博士として当時では異色の「生化学」の授業を,看護基礎教育(大学,専門学校)で長年,教授してこられた。その経験と学生に対する熱い思いが結実し,看護学生のための学習書として本書が出版された。著者とは看護教員時代から30年来の交誼をいただいているが,学問に対して探求心が強く,何事にも真摯に向き合う姿勢に学ぶところが多く,尊敬している。
今回,本書に目を通して素晴らしいと感じたのは,1項目ずつすべて見開きになっていて,左ページに解説文,右ページに解説に合わせたイラストがカラーで描かれているところである。専門書としてはいままで目に触れたことのない新鮮な構成である。複雑な内容を,学生の目線に立ち理解が深まるように平易な文体で簡潔に,しかも,重要項目をゴシック体や赤字で表示している。解説文のみでも理解はできるものの,イメージした内容を確認するためにイラストを眺めると「あぁ〜そういうことなのか」「自分の身体内部の状態を確認できる!」と,学生でなくともわくわくする。
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