調査研究
看護婦のキャリア発達上の問題とOJT教育への提言―小児看護実践者の潜在的学習ニードから
加藤 和子
1
1横浜市立大学看護短期大学部
pp.665-670
発行日 1997年8月25日
Published Date 1997/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901670
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はじめに
看護が専門職であれば,看護基礎教育終了後,看護婦は現場において基礎的能力の上に応用能力を身につけ,専門職としての「看護アイデンティティ」を形成し,自己成長していかなければならない.しかし,私自身が卒後教育に従事してみて実感したことは,実際にはこの課題達成は個々の看護婦にとって非常に困難な問題となっている.この主な原因として,基礎教育と臨床現場の二重構造の多様な問題があると考える.
本論では,筆者の日本看護協会看護研修学校(以下,研修学校とする)での卒後教育の経験から,小児看護経験者を対象に調査した内容をもとにその問題について述べたい.卒後教育を通してはじめて顕在化される看護婦に潜在化された問題を,現場の労働環境に位置づけながら明らかにし,その問題を解決する,基礎教育・卒後教育(On the Job Training)に必要な教育の方向性について検討する.
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