シンポジウム 地区のニードと保健婦業務計画—第21回日本公衆衛生学会第6分科会
保健婦がニードにこたえるには
橋本 秀子
1
1神奈川県立公衆衛生看護学
pp.20-26
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203306
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イメージ作りをめざして
私に与えられました課題は,"保健婦がニードにこたえるには"ということでございますが,いろいろむずかしい問題を含んでおります.ところで,この課題について論じますには,とうぜん,保健婦に対する,社会の役割認知が基底となってまいりますので,まずこの点について,最初に話を進めてみたいと存じます.実際問題といたしまして,保健婦に対して,どのような役割認知をするかは,簡単なようでいて意外に複雑でございます.たとえば,最近の保健婦業務を中心とした2〜3の雑誌を見ましても,そこに見られる発言のあるものは,保健活動のカナメを握るものとして,きわめて幅広い活動を期待しておりますし,またあるものは,いわゆる保健指導を軸とした,公衆衛生看護婦としての働きを期待しております.たしかに現実には,この2つの意見を両端としまして,人により場合によって,さまざまな受け取りがなされています.しかし,この了解の違いが,ある場合にはどのようなニードをとり上げ,どうこたえるべきかの判断に,重要な条件となります.いちいち引例はいたしませんが,保健婦に対する役割認知のかなりの部分が,その人の言う保健婦というイメージを描き,発言されているようにみえます.
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