連載 現代看護の諸問題・9
看護婦の教育制度
大山 正夫
1
1看護問題研究会
pp.88-91
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914781
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はじめに
ここ数年マスコミをにぎわした大きな問題の一つとして,大学の闘争がある。それは社会体制にたいする批判を背景にもちながらも,直接的には大学における教育の根本的な再検討を要求するたたかいであったといえよう。したがってこれは短期間にすべてを解決することは困難で,あるときは大きな運動となり,またあるときは目に見えないような日常の持続的な努力の積み重ねとなって,今後とも継続されるものと思う。
看護婦の教育制度については,これらの大学が内包していた諸矛盾より深刻な問題をかかえている。それが大学闘争の全国的な発展とともに連鎖的に反応しなかった(一部ではたたかいが起こったが)のは,看護教育に問題がなかったからではなく,逆にそれだけ看護教育問題の根の深さを証明したものとして理解し,事の重大性を再認識しなければならないのである。
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