実践報告
施設内ケアから在宅ケアへ―看護の広がりをめざした継続看護実習
長屋 幸子
1
1岐阜県立大垣看護専門学校
pp.302-307
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901601
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はじめに
慢性疾患や高齢者の増大は多くの点で医療の変革を迫り,地域を基盤とした在宅,施設内ケアを包括した医療システムへと転換を必要としている.医療者と患者との関係においても,患者はセルフケアの主体者であるなどパラダイムの変換が求められている.これら社会の要請を受け,従来にも増して継続看護が重視されてきている.それは施設内ケアにとどまらず,在宅ケアにまで及んでいる.
当校における継続看護実習は1993(平成5)年から実施しており,現在に至っている.従来の看護管理実習から思い切って実習形態を変更してみて,学生は疾病中心から生活している人として対象をとらえることができるようになってきた.そして,実習時間内に限られた自分1人の看護から他の保健医療チームメンバーと調整していく看護へと広がりがもてるようになってきた.サマリー用紙や追跡調査記録を用いたこの実習は,施設内ケアから在宅ケアの継続看護の必要性を認識させるのに効果的であった.当校の継続看護実習の方法について述べてみたい.

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