グラフ
看護者の幅広い支援を―10年後のチェルノブイリの医療現状報告
鬼熊 千代子
1
,
本橋 成一
1信州大学医学部附属病院看護部
pp.1-3
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901535
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チェルノブイリの原発事故から10年,以来各国のさまざまな団体が支援を続けている.信州大学医学部附属病院小児科も,数年前より日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)とともに,テガダーム,ディスポーザブル手袋,ウエルパスを送る等の医療支援を行なっている.今回,来年2月に末梢血幹細胞移植を行なうための準備として,10月12~20日の日程で,医師等の総勢5名がゴメリ州立病院小児血液病棟を訪問した.私が現地を訪れるのは2回目で,移植手術に必要な環境と物品を確認し,現地で可能な移植手順を検討・作成するのが今回の目的であった.
この小児血液病棟には患者30人に対し看護婦は11人.看護婦の定員は28名であるが,汚染地として移住が奨励されていることもあって,多くの若い看護婦が現地を離れ,定員割れが続いている.しかも,婦長1人と8時から18時勤務の2人を除く8人が,2名1組となって24時間連続勤務の後72時間休みという過酷な勤務体制となっている.
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