NURSING EYE
スモーキーマウンテンに生きる子どもたち―マニラ・スラム地区での研修旅行を通して
長本 和世
1
1聖路加看護大学
pp.238-241
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901344
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スモーキーマウンテンに興味を持ったきっかけ
私が初めてスモーキーマウンテンと呼ばれるスラムを知ったのは,小学校4,5年生の頃だ.TVのドキュメンタリー番組で報道されたのだが,その印象はあまりにも強く,今でもはっきりと覚えている.その後私は貧しい国に暮らす子どもに対して興味を持ち始め,写真集や文献を見つけると目をとめるようになった.そして大学に入学してからは実際にアジア諸国を旅行するようになり,不衛生な環境にいる子,危険な商売をする子…決して日本では見ることができない状況を目の当たりにして,私は驚き,しかしその驚きは,何か強く私を引きつけていた.一度このようなフィールドに出てみたい,そう思うようになった.
ちょうどその頃,日本のNGO(非政府組織)の1つであるアジア保健研修所(AHI)発行のプリントをもらった.この中にスモーキーマウンテンに関する小冊子が含まれており,これが今回の旅行のきっかけとなった.
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