Scramble Zone
春期休暇中に看護学生が行なった阪神大震災ボランティア活動
森 奈穂子
1
1砂川市立病院附属看護専門学校
pp.800-802
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901198
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はじめに
1月17日の死者5,500人を越える阪神大震災,それは地震の多い北海道に住む私たちにとっても衝撃的なものでした.その日は当校の冬期休暇が終わり始業の日でもありました.学生は自分たちにできることはと模索しながら,結局義援金を送るという手段しか持ち合わせてはいませんでした.まして学年末の講義や実習に追われる時期のことですから,学校を離れるわけにもいきませんでした.そのようなジレンマの中,春期休暇中のボランティア活動の募集があり,学生に希望を募ったところ1年生(新2年生)9名,2年生(新3年生)4名(内男子学生2名)の計13名の申し出がありました.3月10日に終業し,3月12日に專任教員3名と北海道を出発,わずか6日間という短い期間でしたが,神戸市の避難所の1つであるY小学校でボランティア活動を行なってきました.
被災から2か月がすぎた現地では,物資はある程度充足し,電気や水も普及してきており安定期に人っていました.被災者のニーズは生命を守るためのものから,社会生活を営む上でのもの,長引く避難所生活で蓄積された心身の苦痛に関するものに変化し,その内容も多様化していました.そのような被災者を目の当たりにしたとき,ただ被災者の役に立ちたいという漠然とした目的意識の中で出発した学生は,活動開始時にはかなり戸惑っていました.
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