特集 転換期における人材育成
リーダーシップ教育の再認識―阪神大震災時の経験を通して
柳生 敏子
1
1甲南病院看護部
pp.779-782
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901194
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はじめに
震災から5か月が経過した.神戸の街は倒壊した家屋やビルの撤去とともに,あちこちに思いがけず広い空き地が数多くでき,場所によっては昔の面影をしのぶべくもない所もある.
神戸市の東灘区にある甲南病院は,今回の阪神大震災の被災地のうちでもことのほか,被害の大きかった区域の中にある.しかし,幸いにも病院の建物は大きな被害をまぬがれ,かろうじてその機能を保つことのできた病院の1つである.そして,東灘区は1,380名もの多くの死亡者を出した地域でもある.表1のように,1月17日から22日までに,外来患者約1,350名,入院患者350名,死亡者90名の多くの死傷者を看とりながら,看護婦としての未熟さを無念にも思い知らされることになった.危機管理を担う1人として今回のこの貴重な体験を,私なりに振り返ってみたい.
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