特別寄稿
少子・高齢社会看護問題検討会報告書について―看護教育との関連から
田村 やよひ
1
1厚生省健康政策局看護課
pp.418-421
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901116
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はじめに
1994(平成6)年12月16日,少子・高齢社会看護問題検討会(座長:伊東光晴京都大学名誉教授)は,9か月間,14回にわたる検討を終え,報告書を取りまとめた.本検討会は1987(昭和62)年の看護制度検討会報告書がまとめられて以来,約7年半ぶりに行なわれた看護制度全般に言及した検討会である.
行政の世界では,検討会報告書の持つ意味は極めて大きい.この7年半の間,看護制度検討会で提起された課題の多くは行政的に具体的な取り組みがなされ,改善が図られた.例えば,①看護大学の設置促進,②看護教育カリキュラムの改正,③カリキュラムの見直しに伴う国家試験,資格試験の科目の改正,④保健婦資格の男子への拡大,⑤看護職員生涯教育体系の検討会報告書,⑥看護教員養成にかかわる資格要件の改正,都道府県での看護教員養成講習会開催,⑦看護職員需給見通しの策定,離職防止と再就業の促進対策の前進,⑧訪問看護婦養成講習会や訪問看護婦養成指導者講習会の実施など,近年の看護界を巡る多くの変化は,看護制度検討会の中で提言され方向づけられていたものである.
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