特集 よりよい臨床実習を目指して
2年課程における臨床実習の工夫―積み上げるべき内容は何か
森 美春
1
1京都・公立南丹病院附属高等看護学院
pp.232-238
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901079
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はじめに
今から16年前,「臨床実習でしか学べないものは何か」と題するレポートが本誌に掲載された.その頃看護婦として働いていた私は,恩師が書かれた哲学的レポートの意味を十分理解せぬまま手元に温めていた.その恩師に憧憬を抱いていたこともあって,いつしか看護教師になった訳であるが,先生のレポートを何度も読み返して,改めて臨床実習で学生が学ぶものは何かという根源的意味が伝わってきた.
先生は「臨床実習でしか学べないものは何か,この問いに対する答えは“関係の形成”です.学生が看護婦として患者との間に関係を形成してゆくこと,これは自らの身体によってそれを経験することにおいてしか学べない,代置不可能な事柄.」1)と述べておられる.臨床実習の真髄を,16年前の向こうから,今も語りかけておられる.
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