特集 看護と福祉新時代―教育に期待されるもの
社会とのかかわりの中での看護―看護は病院の中だけでは終わらない
渡辺 タミ子
1
1日本看護協会看護研修学校
pp.111-114
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901052
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はじめに
人口の高齢化,慢性難治性疾患の増大,高度な医療技術の革新や化学療法の進歩などにより,これまで病院医療が中心であったものから,在宅医療・看護を活発化させていく方向での施策が打ち出されている.その一方で,高度に専門分化,多様化,複雑化した医療は,まだ人間の病態像を局所的にとらえがちな性格を残し,その人の生活文化や健康の考え方などを包含した全人的な把握を基に展開するレベルまでには至っていないのが実情である.
こうした情勢を背景にして,独自な存在としての人間の尊厳性が重んじられ,かつ1人ひとりの生命や生活の質的な保証を求めて,療養生活をおくる人々の医療福祉ニーズも多種多様に変化してきている.それに伴って看護職者に期待される役割も拡大してきている.
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