特集 訪室を避けたいと思うとき—一般病棟でのターミナルをめぐる諸問題
患者との難しいかかわりの中から学ぶもの
平井 美津代
1
1聖ヶ丘病院病棟
pp.140-143
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905769
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中野さんのこと
本号132ページからの座談会で,当院の患者であった家族の中野貞彦さんから次のような投げかけがあったという.ターミナルを迎えた妻から激しく感情をぶつけられることがあっても,看護婦はどうしていやな顔ひとつせず,日々イスに腰かけて話しかけていってくれたのだろう,そのどうしての部分を,たずさわった看護婦から聞いてもらえないか,と.
当院に私が勤務する以前のことであり,たずさわった看護婦にその頃の状態を話してもらった.もう数年前になるというのに中野さんの年齢,病気,仕事,ご家族の様子,そして最期の場面まで,はっきりと物語ってくれた.その看護婦の姿に,私自身感動した.ここに,夫の中野貞彦さんの許可を得て,少しふりかえってみたい.
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