特集 看護と福祉新時代―教育に期待されるもの
社会福祉施設の中での看護職の役割
今後の高齢者福祉において私が看護教育に望むこと
油木 京子
1
1老人保健施設なでしこの丘
pp.101-102
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901049
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私は結婚,そして子供を育てながら,医学部付属病院に40年間勤務をした.その間,子供の面倒を見てもらっていた実母が病気で倒れたときに,女性が仕事を継続していく難しさを身をもって感じ,また,婦長,看護部長として,親の世話をするために仕事を辞めていく看護婦を引き止める術のない空しさを感じつづけてきた.
託児所はあっても,託老所はない.身の回りのことを自分でできなくなった親のためにも,働く女性にとっても,地域に密着した看護・介護施設をつくることが私の長年の夢であった.そして今,老人保健施設を看護職の仲間とともに開設してから早2年7か月が過ぎた.看護者である自分たちが経験してきた知識と技術とを十分に生かすために,自分たちが経営者になり,看護婦の仲間でお金を出し合い,“なでしこの丘”の設立に漕ぎ着けた.
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