特集 大学教育の目指すものPart1
看護系大学9校のアイデンティティ
「人間中心の医療」を目指して
松岡 緑
1
1佐賀医科大学医学部看護学科
pp.760-762
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900941
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日本の看護教育は,医学教育並びに,他の学問分野に比較して相当な遅れをとった分野と言わざるを得ない.そのために現在の看護界の指導者層は看護学の独自性を目指して,血のにじむ努力と研鑚を重ねている.看護教育の看護モデルでの教育を確立させる志向も高い.
何よりも強調しておきたいことは,看護の対象は「人間」であることだ.「人間」を中心にした医療という言葉は,常に医療や看護関係者間では日常的に使われ,文字で証言されているにも関わらず,実際は「看護学の独自性」「看護の視点」が全面に出すぎ,人間不在の顔の見えない看護に陥っている面も見受けられる.
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