特集 大学教育の目指すものPart1
看護系大学9校のアイデンティティ
生活実感を生かした自主的実習活動
南 裕子
1
1兵庫県立看護大学
pp.757-759
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900940
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兵庫県立看護大学は,1993年4月に開学した看護学の単科大学です.単科大学の利点は,いわゆる一般教育,語学および体育(我々は基本科目と呼びます)の担当教員がなんらかの点で,専門支持科目として関わっていますので,基本科目と専門を統合して教育課程が組めるという点にあります.
また,設置主体が兵庫県という自治体であることから,実習や研修の場が県下全域にわたって行なうことができます.兵庫県は瀬戸内海と日本海に挾まれた唯一の県であり,都市あり,山村,漁村あり,温暖な地と厳冬を迎える地域とがあって,日本の縮図としての特徴をもっています.様々な統計をみると,丁度全国の平均的なところを示すことが多く,全県下にまたがる実習や研修は,ある意味で日本の社会ニーズを理解することになります.実習場所は,地理的にも大学から結構離れているので,実習指導者や学生にとっては大変です.しかし,看護学の教育は日本全国,また世界を視野に入れて行なうことが必要だと私は考えていますので,むしろこの苦労が将来,実を結ぶことがあるだろうと期待しています.
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