グラフ
生活する「人」についての学び―勤医協札幌看護専門学校の地域フィールドワーク
黒沢 百合子
1
1勤医協札幌看護専門学校看護第2科
pp.644-647
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900907
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「患者さんはそれぞれ生活を抱えている」医療現場ではよく言われる言葉だ.しかし,いくら想像力や洞察力が優れていても,それまでの体験が少ない最近の看護学生には,その「生活」を理解するのにも限界がある.またそれとは逆に,豊かな想像力が災いして,思いこみで患者さんを見ることもあるかも知れない.このような現実を少しでも解消しようと行なわれているのが,勤医協札幌看護専門学校の地域フィールドワークである.
「地域の人々の生活,労働に直接触れ,健康観,人間観を科学的に発展させていく第一歩とする」ことを目的として始められたこのフィールドワークは,学校がまだ准看養成を行なっていた時代に始まり,既に35年目を迎えている.現在は看護学概論の中に位置付けられているが,特別教育活動の時間もあてて行なわれている.それだけの時間を割くのは「病院内で見る患者さんが,地域ではどのような生活をしているかを知ることで,病院の論理だけで人の行動は規制できないことを学ぶ.さらには,労働と健康の関係についても考え直す」という意味づけがあるからだ.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.