特集 COVID-19は研究にどのような影響をもたらしているか
コロナ禍でフィールドワークする〈身体知〉になる
西村 ユミ
1
1東京都立大学大学院人間健康科学研究科
pp.369-373
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201793
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
新型コロナウイルス感染症について,昨年度の1月ごろから,少しずつ研究への影響の可能性を感じ取ってはいたが,実質的に対策を講じ始めたのは,病院でフィールドワークを行なっていた大学院生たちから,病院へ入ることについて相談を受け始めた頃だと思う。ちょうど,多くの学会や講演会の中止,延期が発表され,大学でも新型コロナウイルス感染症対策が議論されていた。いまになって思い返すと,その頃は,研究者が医療機関に入ることによって,外部からウイルスを持ち込んだり,感染をしたりすることを防ぐことが主に議論をされていた。また,この状況がいつまで続くのか,という将来展望について,まったく見通しが立っていなかった。いま(8月中旬)もなお,今後の状況に対する判断は難しいが,少なくとも,しばらくこの状況が続くということは,見通しに含まれている。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.