Japanese
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特集 発育期の脳障害
我が国における研究の展望
A sketch of the research in Japan.
鴨下 重彦
1
Shigehiko KAMOSHITA
1
1東京大学医学部小児科学
1Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.367-372
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906291
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脳の研究は,科学にとって今世紀最後の最大の課題であるという。記憶,老化,痴呆などの研究と並んで,脳の発生・発達に関する分子生物学的な解明も盛んである。脳の老化の予防が可能であるとすれば,それは発育期から始めなければならないであろう。一方これらの基礎的な研究の成果が,脳発達障害の本態解明や治療・予防に結びつくのは,まだかなり先のことである。
脳の発達は胎生期から生後も続き,一定の時期の後に老化へと移行する。その過程は,遺伝子および環境の因子の影響を受けたきわめて複雑な現象で,それぞれの作用や両者の複合によって発育期の脳障害が起こる。
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