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あなたも「映画づくり」に参加しませんか?―市川準監督作品「病院で死ぬということ」始動
pp.117
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900529
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昨年秋から続く“病院”映画ラッシュ.もともと医療現場というものは,ドラマよりもドラマティックな場面が多い.映画製作者たちが目をつけるのは当然であり,現場に携わる立場から言えば遅すぎる感すらある.そんな中,他の作品と一線を画すユニークな形態で製作が進んでいるのが,「病院で死ぬということ」である.
原作は,山崎章郎のベストセラー「病院で死ぬということ」(主婦の友社刊).監督・脚本は,CMディレクターとして,また寡作ながら独特の世界観を持つ映画監督として知られる市川準があたっている.市川監督は,撮影現場では,医師役で主演の岸辺一徳をはじめ俳優たちには,演技をせずそこに本当の医師や患者がいるという雰囲気で淡々と進めるようにと指示.虚構の空間の中で,プロの俳優と素人の役者さん,さらに現役の看護婦たちが“リアル”を作り出していく.また,病室のシーンに挿入されるドキュメンタリー調のイメージショットは,生きる歓びをテーマに,既に20時間以上撮影されたフィルムから切り取られることになっている.
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