連載 往復書簡 東京と小樽を結んで・18
住吉蝶子さんと3K
徳田 輝子
1
1小樽病院高等看護学院
pp.406-409
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900394
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小樽駅から南西に車で15分の所に旭展望台があり,そこから日本海を抱えた小樽港と,カラフルな屋根の小さな家が点々と散らばる街並みが眺められます.
山頂にはプロレタリア文学作家小林多喜二の文学碑があり,小樽の名所のひとつとなっています.展望台入口から山頂への緩かな道をぶらぶら歩いて行くと,新緑の梢から「ホーホケキョ・ピンカラカラ,ヒンヒョーヒョー,チ・サイサイ,カッコウカッコウ,ポンポンポン,ジュイチジューイチ,キョッキョキョキョ」と可愛いいろいろな小鳥達の囀りが聞こえてきます.現在195種の鳥達が小樽の山々に生息しているそうですが,特に毎年カッコウの鳴く声を聞くと,ようやく北海道にも夏が近づいてきていることを感じさせてくれます.カッコウはこちらでは,5月中旬過ぎに鳴き始めることから,種蒔の目安の鳥と言われております.この頃から自然界は植物も烏も動物達も躍動し出し,四季を通して小樽の最も爽やかな季節となります.この頃は,わが街小樽の風景が天気予報のバックに写ったりドラマの舞台となったりすることが多く,以前に比べると随分注目されてきたように思います.そして,“小樽出身”という方も目に止るようになりました.
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