特集 これでよいのか准看護教育
准看護婦制度は廃止できるのか
阿部 俊子
1
1三井不動産株式会社シルバー医療関連事業室
pp.191-193
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900352
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准看護婦制度廃止問題が叫ばれてから久しい.日本看護協会が廃止を打ち出してからもう何年にもなるのに具体的解決が一向に見えてこない.この准看護婦制度を看護婦として一本化しようというのは,経験のある高齢の准看護婦が,ある与党の力と理論をバックに唱え始めたのがその始まりらしい.社会的に,この看護婦・准看護婦の関係は1つの差別構造とも言えよう.この中で差別されている側から問題提起したのはめざましいことである.しかし,差別と区別は異なる.ここでは准看護婦としての経験が正看護婦養成の進学コース教育ととって替われるか,という問題がある.准看護婦という長年の経験は進学コースの2100時間に匹敵できうるか,ということに問題が集約する.その問題解決のために,看護協会が一本化のための様々な方策を練りあげている.しかし,私には看護協会の種々の看護問題への対応の仕方が,理論的に構築がされているとは思えないのである.
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