特集 今日の准看護婦問題
対談 医療制度と准看護婦の背景
村田 春造
1
,
木下 安子
2
1日本橋松島医院
2東大保健学科
pp.14-19
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914038
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木下 准看護婦がなぜ生まれてくるかを知りたいと思うのですが,最近の厚生省の資料によると,看護婦の総数が35年に比べて41年,約6年の間に4割増えている。ところが看護婦より准看護婦の増える率が非常に高く,准看は病院では6割,診療所では9割,約2倍になってるということから,診療所の看護婦は准看護婦にとってかわりつつあるという感じがします。それで第一線の医療機関で実際に診療なさり,診療所を経営されて,そのなかで看護婦が医師とどうチームを組んだらいいかということを常々お考えになっていられる村田先生にお話を伺い,よい医療を受けたいという一般の住民の希望やら,またそれにこたえたい医療関係者の願いがあるにもかかわらず,実際には准看護婦が増えざるを得ない現在の診療所のあり方,それをとりまいている経済的な条件とか,そういうことを伺いたいと思います。私が先生を存知あげたのは,10年ほど前になりますけれども,当時先生は新しい診療所づくりに夢を描いておられました。その夢と現実のくい違いあたりがいまの日本の医療を物語るものだと思いますので,そのへんを伺いたいと思います。
村田 私は,戦前海軍の軍医で戦後は国立病院にしばらくおりまして,あとは三島で開業して,昭和26年から現在の日本橋で開業しております。
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