連載 UIC大学院生通信―アメリカの看護教育・大学院生活・研究・13
ゆとり教育世代へのエール
岸 利江子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護学部博士課程
pp.854-855
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100777
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私はアメリカに来る前に1年半ほど,中学生の家庭教師をしていました。彼女はいわゆる「ゆとり教育世代」でした。ある日,彼女が「私たちは勉強している内容が簡単だから,ばかなんだって」と言うのを聞いて,ハッとしました。カリキュラムは彼女たちのせいではないのに,そのレッテルを引き受けていかなくてはならない。世間のほうが,多感な時期の自己像にネガティブな影響を与えているのではないかと感じました。
「Sちゃんたちの能力が足りないのではなくて,大人が勝手に決めたカリキュラムなんだよ」と話した覚えがありますが,彼女は現在高校3年生。ゆとり世代だから,と言われ続けてきた子たちの自己像が気になります。
看護学の教育機関は高等化していますが,今後それを支えてくれる若者たちは,学業面で自己実現したいと希望をもち続けてくれるのでしょうか。
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