連載 精神看護キーワード事典・11
看護学生のメンタルヘルス
萱間 真美
1
Mami Kayama
1
1聖路加看護大学・精神看護学
pp.85-88
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100034
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●はじめに
「メンタルに問題のある学生」という言い方がある。学校に勤めていると、そして精神看護学を担当していると、そのことについて相談を受けることも多いし、実際かかわる機会も多い。
今回、連載でこのテーマを取り上げるにあたって、編集者との間でメールで議論をした。そのテーマは、「看護学生は普通の大学生や専門学校生よりも健康でなくてはならないか」だった。私の立場は、「人間には病む権利がある。病んでいて何が悪いんだ」というものである。「看護学生は人にケアを提供するのだから、健康でなくてはできない。ケアを受ける人の安全を保障できない」というとらえ方が一般的だろうからか、編集者の返事は、私がこの「病む権利」を強く主張したところぷっつりと途絶えてしまった。
「看護学生は普通の大学生や専門学校生よりも健康でなくてはならないか」という疑問への答えを、幾通りか書いてみたいと思う。皆さんはそのどれに近いだろうか。誰もが自分らしくありたいのは当然である。看護学生も、そして教員も、どうしたらそうあることができるのだろうか。
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