連載 被占領下(1945-51年)における日本の看護政策・3
中央における看護改革[その1]
ライダー島崎 玲子
1
1北里大学看護学部
pp.238-241
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900040
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GHQ公衆衛生福祉局の目標
サムスは連合軍の日本占領目的に沿って,彼の統率する局の目標を設定した.“民主化,非軍事化”に加えて,ジュネーブ条約は“被占領下国民の伝染病予防と不穏防止”を占領軍に課していた1).
敗戦当時,日本には伝染病が蔓延し,栄養失調,浮浪児,失業者等の問題が山積していた.サムスは,短期の目標をこれらの問題解決に定め,長期の目標は,平和で近代的民主国家にふさわしい医療福祉の,永久的な組織を設立することに決定した2).この目標を基本として,各課の課長と懇談して改革を進めた.看護課長オルトは,日本につくと直ちにサムスと会談し,改革について話し合った.
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