扉
改革
古林 秀則
1
1大分医科大学脳神経外科
pp.361-362
発行日 2003年4月10日
Published Date 2003/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902369
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年,24年ぶりに北朝鮮から5人の拉致被害者が帰国しました.その中の2人の故郷が福井県小浜市です.以前に小浜市の杉田玄白像のある病院へ手術の手伝いに行っていたので,拉致事件については当時から知っていました.帰国した拉致被害者の発言には,最初は異様に感じるところもありましたが,置かれた立場での苦渋の選択の結果と考えられます.北朝鮮に残されたご家族の帰国,死亡と報道されている拉致被害者の正確な情報収集も含め,1日も早い解決を望みます.
小泉総理の「改革無くして成長なし」のかけ声で,様々な構造改革について討議され進行しています.医科大学,医療関係では,平成14年(2002年)10月に山梨医科大学と山梨大学が統合し,数多くの国立大学統合がこれに続きます.われわれの大学も平成15年(2003年)10月に統合し,平成16年(2004年)4月に新大学の一期生を迎える予定です.同時期に国立大学の独立行政法人化と臨床研修必修化も開始されます.独立行政法人化は大学の諸資源を産業活性化に活用し,日本の国際的な経済競争力を強化する手段として期待されていますが,マイナス面も数多く報じられています.臨床研修必修化では,従来の大学病院中心の専門に特化した「人を診ずに病気を診る」と批評されている臨床研修を,「プライマリ・ケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を身につけ,人格を涵養する」研修制度に改変するのが狙いです.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.