特集 人生100年時代の看護師の養成―慢性疾患、ヘルスケア、生き方を見すえる
終末期、緩和医療の目と心
竹川 幸恵
1
1大阪はびきの医療センター
pp.64-68
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202046
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終末期にある患者は、病いの進行に伴い日常生活行動の自立、役割、趣味、生きがいなどのさまざまな喪失を体験しながら生きている。そして、セルフケアをはじめ他者の手助けを必要とすることが増加するなか、自己を他人に迷惑をかける存在ととらえ、自尊感情の低下や自己の存在意義を感じられずにスピリチュアルペインを生じることが少なくない。
そのような終末期にある患者の看護ケアは、患者の尊厳が維持され、最期の瞬間までその人らしく生き抜くことができるように支援することである。その人らしくとは、個人の根幹となる性質で、独自性をもち、個人本来の姿であり、人間としての尊厳が守られた状態という特性と定義されており、個人の根幹となる性質とは価値観・信念である1)。
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