特集 人生100年時代の看護師の養成―慢性疾患、ヘルスケア、生き方を見すえる
―病、痛みとともに生きる高齢者への理解とケアの視点【がん】―がん患者の持つ力を見いだし支援する看護
清水 多嘉子
1
1がん研究会有明病院看護部
pp.44-47
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202041
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がん患者のとらえ方
採用試験の面接で、受験者に「なぜ、がんの専門病院で働こうと思ったのですか?」と質問すると、「がん患者さんに寄り添う看護がしたいと思ったからです」という返答を得ることが多い。続いて、「あなたにとってがん患者さんに寄り添うとは何をすることですか?」と尋ねると、多くの人が「患者さんの話をしっかり聞くことです」と答える。
「患者さんの話をしっかりと聞きたい」という言葉は、決められた定型業務にとどまらず、個別性をふまえて患者にかかわっていくという発言者の意志を想像させる。また現在、がん領域にとどまらず医療の現場においては、患者の話をしっかりと聞くことがこれまで以上に求められている。退院支援はもちろん、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)や遺伝子治療などのセンシティブな課題も多く、十分なコミュニケーションなくして進めていくことはできない。いずれにおいても、話を聞く姿勢は歓迎すべきことである。
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