特集 治療の手だてのない患者への援助
患者とともに病気の中に意味を見いだしたい
松井 きよ子
1
1順天堂大学医学部付属順天堂医院内科病棟
pp.933-937
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918487
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はじめに
人間は長い一生の間にさまざまな苦悩に出会うであろう.そしてそれをどのように受けとめ乗り越えていくのか,たいへん興味のある問題である.
病気をもった多くの人々が,医療機関を訪れる時,どんな人でも‘この病気を治したい’という願いで来院する.だが進歩している医学の力をどんなに駆使しても,どうしても自分の病気がもとの健康な状態にもどらず,この病気とともに一生歩いていかなければならないと知る時,人は孤独と絶望感に打ちひしがれてしまうであろう.
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