特別記事
看護学生のコミュニケーション能力向上に向けた取り組みとその成果―都立看護専門学校7校における「看護学生の段階別コミュニケーション能力評価尺度」を用いた縦断調査結果
大竹 由美子
1,2
,
北浦 益代
1,3
,
小川 隆美
1,4
,
髙橋 幸恵
1,3
,
宮野 恵美
1,5
,
渕野 佳澄
1,6
,
小池 邦美
1,7
1東京都立看護専門学校 教務総括担当者会
2東京都立青梅看護専門学校
3東京都立府中看護専門学校
4東京都立北多摩看護専門学校
5元・東京都立北多摩看護専門学校
6東京都立南多摩看護専門学校
7東京都立板橋看護専門学校
pp.466-474
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201966
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はじめに
看護は、対人関係を基本とし、患者のみならず看護チームや多職種とのコミュニケーションが不可欠である。2007(平成19)年厚生労働省「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書」1)においても、コミュニケーション能力を高める教育内容の必要性が示され、2011(平成23)年同省「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」2)では、看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標が示され、コミュニケーションの到達度が項目として挙げられた。
近年のSNS(Social Networking Service)普及や社会活動の減少により、看護学生のコミュニケーション能力は低下の傾向にある。東京都立看護専門学校(広尾・荏原・府中・北多摩・青梅・南多摩・板橋:以下、都立看学)では、看護学生のコミュニケーション能力の向上をめざして、7校合同で2013(平成25)年度に「コミュニケーションの到達目標」を策定、2016(平成28)年度から「コミュニケーション振り返りシート」を活用し、学生に自己評価を促している。
今回、コミュニケーション能力尺度3)を用いた4年間の継続調査により、看護学生のコミュニケーション能力に有意差をみることができたため、本稿ではこれら取り組みの経緯と併せてその成果を報告する。
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