特集1 へき地・離島がひらく可能性 これからの社会に必要な視点
都会の看護学生がへき地医療を学ぶ—都立看護学校における取り組み
田口 健
1
1東京都保健医療局 東京都島しょ保健所
pp.448-449
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660040448
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へき地医療に携わってきた経緯
東京都は人口1,400万人を超える世界的な大都市である。しかし、同時に伊豆諸島や世界自然遺産の小笠原諸島という2町7村から成る島しょ地域、奥多摩町・檜原村という1町1村の山間地域を擁しているということはあまり知られていない。その人口は3万人あまりと東京都全体と比べるとわずかな割合であるが、島しょ地域は日本の排他的経済水域(EEZ)の約40%を占め、山間地域は東京都の面積の15%を占める広大な地域である。東京都ではこの地域を行政上のへき地と位置づけ、さまざまな保健医療対策を行っている。
私は、へき地をはじめとした地域医療を担う医師を養成する、47都道府県が共同出資して設立した自治医科大学を1994年に卒業し医師免許を取得後、東京都庁に入庁すると共に都立の病院で臨床研修を行った。3年間の研修の後、伊豆諸島の新島、小笠原諸島の父島などの離島の診療所に計約4年間派遣され、へき地医療に従事した。
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