特集 本当に伸ばすためのコミュニケーション教育
教育機関として,コミュニケーション能力向上のためにできること
村中 陽子
1
1順天堂大学大学院医療看護学研究科
pp.300-307
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200187
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コミュニケーション教育の問題点を探る
コミュニケーション能力についてのコンセンサス
看護師は,24時間継続して対人関係を基盤に患者をケアしている唯一の専門職であり,コミュニケーションの質・量ともに求められる存在である。また,コミュニケーションはノンテクニカルスキルの一つであり,チームワーク・リーダーシップ・状況認識・意思決定など他のノンテクニカルスキルにも影響することから,その重要性は誰もが認めるところである。一方,看護教育においてコミュニケーションの教育の必要性は広く認知されているにもかかわらず,常に教育上の課題として挙げられている。では,コミュニケーションの教育の実態はどうなっているのだろうか。
まず,看護基礎教育課程において,コミュニケーション能力がどのように扱われているかを検討する。厚生労働省が2011年に発表した,「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」1)には,以下のような記載がある。
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