特別記事
―小玉香津子先生が語るヘンダーソン[前編]―『看護の基本となるもの』を読む
吉田 みつ子
1
1日本赤十字看護大学看護学部
pp.478-484
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201969
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パンデミックのなかで看護を求めて
2020年2月以来始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、長期にわたっています。劇的な治療薬がない状況のなかで、改めて薬物療法以外の基本的な感染対策、換気、免疫力を高める生活が、私たち自身の健康を守るのだと強く実感します。
新型コロナの陽性者が爆発的に増えた時期、人々は医療の専門的知識がなくても自宅で自身の症状を観察し対応すること、自分の健康は自分で守ること、必要に応じて医療機関を受診することを求められました。一方、医療機関に勤務する看護職の業務は、人工呼吸器を装着するような生命維持自体が不安定な重症者や、感染症によって隔離が必要になったことによって心身機能が低下し日常生活行動が自力で行うことができない高齢者のケアが主になりました。
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