特集 「臨床判断モデル」のさらなる展開―基礎教育から臨床、訪問看護の現場まで
【対談】「センス」をひもとき、学びにつなげる―精神科・訪問看護領域での活用の展望
小瀬古 伸幸
1,2
,
岩本 大希
3
1精神科訪問看護ステーションみのり
2TOKINO AIMS株式会社
3WyL株式会社
pp.452-456
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201963
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「臨床判断モデル」と経験学習を組み合わせた研修
小瀬古 あるセミナーで岩本さんが「臨床判断モデル」を紹介されているのを拝見し、興味をもちました。翌日には『臨床判断ティーチングメソッド』*1を読み、最近ではそのメソッドに学び、研修の組み立て方を切り替えたんです。以前は、私の経験した事例を中心に研修をしていました。たとえば統合失調症をもつ利用者さんのケアであれば、「幻覚・妄想に対する基本的な対応はこうです」と伝えているような感じです。ただ、それだけでは参加者の知識量は増えても、私の経験に偏った話になり、その知識が現場で活用されにくいと感じていました。
そこで、同書を参考に、参加者の経験や事例を想起できるような問いかけを取り入れました。最近はオンラインの研修が多いので、5分ほど時間を設け、それぞれの経験やかかわりにおける「気づき」「判断」をチャット欄に打ち込んでもらいます。すると数十人単位の経験がシェアされるので、それだけでも大きな学びになるわけです。加えて経験学習の考え方を参考に、リフレクション後の概念化を意識してフィードバックすることもあります。
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