連載 『ケア学』の新地平 広井良典のケアをめぐる交話・12<最終回>
ケアの新たな展望―対談を終えて
広井 良典
1
1千葉大学法経学部
pp.66-71
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100278
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「1人の個人の心身の病には,その人の生きる社会全体のあり方(の病)が,そのまま凝縮されて反映されている」
「ケアをめぐる交話」という連載タイトルのもと,これまで11回にわたり,ケアに関するさまざまな分野で先駆的な試みや思考を行なっている方々にお話をうかがってきた.冒頭に掲げた一文は,それらの対談を通じて,私のなかに繰り返し浮かんできた内容を示したものである.
対談そのものに関して言えば,お話をうかがった方々がいずれも,人間的に実に魅力的な人たちであり,その語られた内容自体にこのシリーズの趣旨は尽きているのだが,今回はシリーズのひとまずのまとめとして,蛇足をおそれず,“交話”を通じて提示された「ケア」のこれからについて,私自身が感じ考えたことを述べてみたいと思う.
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