特集 新カリキュラムに込めた想いと展望
領域横断科目で看護の学びをつなげる教育課程の検討
今田 良子
1
1四国中央医療福祉総合学院
pp.222-229
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201918
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2009年に看護師養成課程のカリキュラムが変わってから10年以上が経ち、わが国の保健・医療・福祉の動向は大きく変化してきた。急速に進む少子高齢社会のなかで、2017年には、人口減少、特に生産年齢人口の減少によって地域医療構想が示され、医療制度の改革すなわち施設から在宅へ医療の提供の場が変化している。以前からの看護の課題として、安全で安心な医療・看護の提供、医療技術の進歩と高度医療における倫理的諸問題、患者の意識変化と医療への参加などがあった。現在の社会のニーズとして、生活習慣病などの疾病予防への取り組み、療養の場の拡大に伴うそれぞれの看護の理解、多職種との連携とチーム医療での看護の専門性、さまざまな状況下での看護の実践(災害時の取り組みや国際的な看護)があげられている。
2022年4月からの新しいカリキュラムでは、学生の看護実践能力の強化と多様な場での看護実践が重要なポイントである。2015年に「特定行為に係る看護師の研修制度」が始まり、社会の変化と人々のニーズに対応する看護の専門性や特殊性をふまえた質の高い看護を提供する看護師の養成は、看護基礎教育機関の責務といえる。そこで、私たちは現在の社会に求められている看護師の育成をめざしたカリキュラムの構築に臨んだ。
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