特集 教養・基礎科目をとらえ直す
看護学生が学ぶ情報関連科目の考え方と教え方
瀬戸山 陽子
1
1東京医科大学教育IRセンター
pp.1086-1093
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201622
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なぜ情報関連科目を学ぶのか
現代は情報が一定の価値をもつ「情報時代」である。1990年代以降のICTの目覚ましい発展により、コンピュータが処理できる情報量が膨大に増えて、私たちはより複雑なことを容易にできるようになった。このような社会の一員としてよりよく生きるためには、ICT活用能力が必須である。
このたび厚生労働省の看護基礎教育検討会によってまとめられた「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」および「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」から示された第5次保健師助産師看護師養成所指定規則の改正では、「情報通信技術(ICT)の発展に伴い、医療現場や教育機関でのパソコンやタブレット型端末等の活用、遠隔診療・保健指導の導入、医療機器の高度化等が進展しており、看護基礎教育においても情報通信技術(ICT)を活用するための基礎的能力を養うことが重要である」という説明が盛り込まれた1)。この文章は、ICTを用いた機器を操作する能力を養うべき、ととらえられなくもない。しかしこの情報社会では、膨大な情報をよりよく使い、新たな情報を生み出すいわゆる情報リテラシーも欠かせないと筆者は考える。
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